2024年に会社辞めて独立

【通帳残高が気になる】利益プラスなのにお金が増えない理由

黒字倒産という言葉を聞いたことがありますか?
簿記会計を理解していない経営者に起こる可能性があることです

この記事では、経営者・事業者向けに「利益が黒字(プラス)なのにお金(キャッシュ)が貯まらない逆に減っている」

こんな現象について理由と対策を記載します

【この記事でわかること】

・お金には”時間差”がある

”経費にならない支払い”がある

・資金繰りを楽にする方法

めかぶ

めかぶ

簿記会計をいちから覚えろとは言いません

少しでも感覚をつかんで、経営に活かして欲しいです

当たり前の事を書いているかもしれませんが、知らずに困窮される事業者を多く見てきました

流し読みで結構ですので、見てみて下さい!

利益プラスでお金増えない理由

利益(損益計算書:売上ー費用)とお金(貸借対照表:現金と通帳残高)の増減は一致しない

理由は2つ

理由1
利益発生主義の数字
利益は損益計算書に表示される
(利益=売上ー費用)
・売った分のお金は翌月入る
・買った分の支払いは翌月

理由2
不動産の購入・借入金の返済
経費にならない
・不動産(土地や建物)、車を買ったら、貸借対照表の資産の部に表示される
・借入金の返済額は、貸借対照表の負債の部に表示される

利益を表示する損益計算書は発生主義で計算されます

売上や仕入が発生してから、お金が動くのにタイムラグがあります

損益計算書は売上と費用を計上し、差し引き利益を計算する計算書です

損益計算書は発生主義で作成されます

売上の場合:たいていの企業取引はサービスやモノの納品が完了した月の翌月にお金が入ります

仕入の場合:サービスやモノの納品を受けた月の翌月にお金を支払います


このように損益計算書で売上や仕入が計上されてもすぐにお金が入る・払うわけではありません
この”時間差”が利益とお金の増減に差が出る原因です

お金の入金・支払の流れ確認できない?

できます!

初心者でも使えるクラウド会計を導入するのが早いです

日々の仕訳さえ計上していれば「お金の動き(キャッシュフロー)」をスマホでチェックできるようになります

仕訳計上といっても難しく考える事はありません

領収書はスマホで撮って仕訳計上
銀行明細やクレジット明細を取り込んで簡単に仕訳計上

従来の日付、勘定科目、金額、取引先、適用と
いちから仕訳計上する必要ありません

今のクラウド会計は大幅に省力化が可能です

月毎にお金の増減を確認管理し、毎月どれくらいお金が入って・出ていくか把握しましょう

始めは慣れないと思いますが、月に1回振り返りの意味で前月の確認を行いましょう
そうすれば自然に理解できるようになります


ちなみに
貸借対照表や損益計算書とは別に「キャッシュフロー計算書」という公式の計算書類が存在します

非公開会社である中小企業等はキャッシュフロー計算書の作成義務はありませんが、公開会社である上場企業は作成義務があります

作成義務がない中小企業・個人事業主はキャッシュフロー計算書に触れる機会がほとんどありませんので、会計が身近になるクラウド会計を是非導入して欲しいです


スマホで業績チェックはもちろん
スマホで領収書保存からの仕訳計上
スマホで通帳やクレジット明細読み込みからの仕訳計上

場所と端末を選びません
特に少ない人数で運営されている事業者にお勧めです

簿記の知識がある程度ある方は「マネーフォワード」がお勧め

簿記の知識が少ない方は「freee」がお勧め

不動産・車→資産
(貸借対照表の資産の部に表示)

借入金→負債
(貸借対照表の負債の部に表示


資産購入や負債の返済は経費になりません
つまり利益に影響しません

たまに勘違いをされている方がいます
不動産(土地・建物)や車を購入したら経費になる
銀行から借りたお金の返済は経費になる

この考えは間違いです
貸借対照表の資産や負債に載ってきます

土地や建物といった不動産、機械装置・車輌等の購入は資産の購入(増加)として貸借対照表の資産の部に反映されます

銀行からの借入金の返済やクレジットローンの返済は経費ではなく負債の支払(減少)として貸借対照表の負債の部に反映されます


”経費にならない支払い”がある事を理解しましょう

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お金を減らさない対策

ここまでで黒字だけどお金が増えない理由は分かりましたね

次は対策です
2つの対策を記載します

対策1資金繰りの最適化
売上の回収サイクルの見直し
仕入の支払サイクルの見直し
短期の借入検討

対策2資産・負債の最適化
固定資産の売却
借入金返済の条件変更(リスケジュール)

売上を請求して入金が滞るような得意先はありませんか?

企業は自社のサービスを提供して売上を得ます
売上は必須ですが闇雲にどこにでも提供してはいけません

入金が滞るということは、その得意先は何らかの問題を抱えているということです
請求した金額が入金されるまで取引を停止する事も時に必要です

私は失敗しています
入金が滞った得意先に対し「今回だけ」と言われながらサービスを提供し続けました

その結果、結局お金は回収できず倒産
タダ働きという結果を招きました

仕入代金を即座に払っていませんか?

支払いがはやい事は相手には良い事です
しかし時に足元をすくわれることがあるのでご注意を!

出来るだけ支払期限あたりで払うことを勧めます

理由は売上入金日と近づけるためです
月末締の企業が多いので
支払と入金が月末に重なるのがベスト

それでも20日締といった企業もあり、売上入金より先に仕入代金の支払いをしないといけない場合があります

そのような時は仕入代金だけ銀行から”短期”で借りましょう

売上が入金されたら借りた分を全額返済しましょう

※実務経験上、銀行も商売なので即返済は拒まれるでしょう
そのため「4か月後」くらいの一括返済が主流です
返済資金には手を付けたらいけませんよ

注意して欲しいのが長期返済にしない事です
借りたお金の使途は仕入代金
仕事が完了し売上が入金されたら、借りたお金は全額一括返済しましょう

「短期」と「長期」目的を明確にして資金調達しましょう

【短期借入】1年以内に返済
●特定の仕事を遂行するために「途中でお金が出ていき」「完了するまで売上金が入らない」場合に活用しましょう

【長期借入】5~7年くらいで毎月少しずつ返済
●「売上増加」や「固定費削減」「業務効率化」の設備投資をする場合に使いましょう
●困窮時に改善するまでの「運転資金」に使いましょう

資産最適化

事業に役立っていない資産はありませんか?

資金繰りが悪いのに高級車を取得していませんか?
不要な土地・建物はありませんか?

困っている時に不必要な固定資産があれば売却を検討しましょう
固定資産は維持費がかかりますし、維持できる程の業績を出せていないからです

簿記では建物や車両は取得した時に取得価格が貸借対照表の固定資産に計上されます
耐用年数に応じて減価償却を行い、当初計上した取得価格(帳簿価格)をだんだんと減らします

この時「減価償却費」という費用が損益計算書に計上されます
お金の支出を伴わない費用です
費用として利益を減らし税金を減少させる事から「再取得費用」とも言われます
「減税した分を将来の買い替え資金にしてね」という意味です

減価償却費を計上したうえで、お金が減る状況はよろしくありません
投資に見合う成果が出ていないということです

不動産や機械装置・車両を購入する場合は銀行から資金を借りる事が多いです

つまり会社が生み出したお金で返済をしないといけないのですが、できていない場合もあります

ここまで読んで頂けたらお気づきかもしれません

借金の返済は会社が生み出す利益から払うことになります
※利益とお金の増減には時間差がありますが、いつかは収束します

資金繰りが悪いからといって借入を繰り返すと毎月の返済額が膨れ上がります
もちろん銀行に支払う利息費用も増加します

固定資産を購入したが、「売上に結びつかない」「経費を減らせない」「効率化できない」では、借入金の返済ができなくなって資金がショート

これが”黒字倒産”です

負債最適化

当初の返済スケジュール期間を延ばす交渉をしましょう

倒産されて貸したお金が返ってこないより、改善の時間を与えて、後ろ倒しになっても回収できた方が良いに決まってます!

銀行は返済条件を変更してくれる場合があります
もちろん、相談したら即「わかりました」とはなりません

改善の計画を立てる必要があります
事業者と銀行とで計画の擦り合わせを行い返済期間をリスケジュールします

立て直し期間をもらい
その期間の返済を止めてもらう
もしくは毎月の返済金額を減額してもらう

資金繰りが悪い時には追加融資の検討だけでなく
既存借入金の条件変更も視野に入れましょう

自社で計画作成が行えない場合は”認定支援機関”(コンサル・会計事務所等)に相談しましょう

費用はかかりますが国の補助金対象になる場合もあります

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まとめ

利益がプラスなのにお金が増えない!

【理由】
●利益とお金の増減は一致しない
利益とお金には”時間差”がある

●不動産や車の購入・借入金の返済は経費にならない
不動産・車→資産計上
借入金の返済→負債計上


【対策
●資金繰りの最適化
回収・支払サイクルを確認見直し

●資産・負債の最適化
不必要な資産は売却処分
借金の返済期間を後ろ倒しにできないか検討

めかぶ

めかぶ

簿記は全部覚えようとすると大変ですし時間がかかります

てっとり早いのは実践すること

スマホで手軽に取り組めるマネーフォワードやfreeeがお勧めです

ある程度自分たちで仕組みを理解してから、会計事務所などに外注するとスムーズに進みますよ

始めから外注する場合は、積極的に税理士や担当者とコミュニケーション取って下さい!お客さんが熱心だと気合入るはずです!

簿記の知識がある程度ある方は「マネーフォワード」がお勧め

簿記の知識が少ない方は「freee」がお勧め

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