この記事では貸借対照表の入り口・概要を解説します。
事業活動を行う上で貸借対照表の理解は必須です!詳細までとなると時間がかかるので大枠を知っておきましょう。こんな方にお勧め「簿記初心者」「副業を始めた」「起業した」「時間をかけずざっくり理解したい」
目次
そもそも何なのか?

「貸借対照表」とは
一定時点(通常は事業年度末)における企業の財政状態(ストック)を明らかにするための財務諸表
その企業の現金・債権・不動産・債務・借金・資本金・今までの利益の積み重ね等がいくらあるか記載されている表です
貸借対照表=BALANCE SHEET
略してBS(ビーエス)と呼びます
財政状態とは企業の資金の出どころ(調達源泉)とその使い道(運用形態)をいいます
例えば、企業はお金を用意する手段として企業の持ち主がお金を出す資本金と銀行等からお金を借りる借入金を利用します
資本金や借入金を運用することで企業経営を行います
見方は?

科目 | 金額 (単位:千円) | 科目 | 金額 (単位:千円) |
---|---|---|---|
①流動資産 | 300 | ⑥流動負債 | 200 |
②有形固定資産 | 500 | ⑦固定負債 | 600 |
③無形固定資産 | 100 | ⑧負債合計 | 800 |
④投資その他の資産 | 100 | ⑨純資産 | 200 |
⑤資産合計 | 1,000 | ⑩負債・純資産 合計 | 1,000 |
上記の表を参考に説明します(^^)
貸借対照表に出てくる科目の代表区分をピックアップし適当に金額を入れました
法人のパン工場を想定します
主な売り先はスーパー等の小売店です
①流動資産
パン工場が保有する現金・預金・売掛金等です
比較的すぐにキャッシュとして使える資産です
売掛金はひと月分のパンの売上金をまとめて翌月に回収する債権です
企業間取引でよく行われる形態です
取引量が多いため都度決済せず、ひと月の納品分をまとめて決済します
買い手の信用がないとできない信用取引です
②有形固定資産
パン工場が保有している建物(工場)・土地・機械設備・車両(配達車) 等です
収益を産むために投資した形のある資産です
すぐにキャッシュに換金できないという特徴もあります
③無形固定資産
パン工場が保有している電話加入権(お店の固定電話番号)やソフトウェアといった実体の形が無い資産です
有形固定資産と同様に、収益を産むために投資した資産で、すぐにキャッシュに換金できないという特徴もあります
④投資その他の資産
例として他社への出資金や保険積立金などがあります
⑤資産合計
①~④の合計額です
会社の運用形態の合計額と言えます
⑥流動負債
比較的すぐに支払い期日がくる債務です
代表的な科目に買掛金や短期借入金があります
買掛金はひつ月分の小麦粉の購入代金をまとめて翌月に支払う債務の事です
短期借入金は1年以内に返済する銀行等からの借入金です
取引発生から1年以内に支払い期日がくる債務が流動負債です
⑦固定負債
支払い期日が比較的長い債務です
代表的な科目に長期借入金や長期未払金があります
長期借入金は返済期間が1年以上の借入金です
長期未払金は返済期間が1年以上の車両や機械設備などのローン(割賦払)です
取引発生から1年以上に渡り支払いを行う債務が固定負債です
⑧負債合計
⑥と⑦の合計額です
他人から調達した資金(源泉)ということになります
⑨純資産
主に資本金と繰越利益剰余金の合計額です
自身で出した資金(源泉)となります
資本金は企業の所有者が出したお金
繰越利益剰余金は今まで企業活動で得た利益の積上げ額です
⑩負債・純資産合計
⑧と⑨の合計額です
調達資金(源泉)の合計です
ちなみに⑤資産合計額と一致します
これがバランスシートと呼ばれる所以です
分析例

流動比率
パン工場の支払い能力を見る指標
流動比率=流動資産÷流動負債
流動比率(%)=300 ÷ 200 ×100=150%
大きい方が支払い能力が高い
100%は超えないといけないです
自己資本比率
パン工場の財務の安全性を見る指標
自己資本比率=純資産÷負債・純資産合計(総資本)
自己資本比率(%)=200 ÷ 1,000 × 100=20%
大きい方が他人からの借金が少なく安全性が高い
小さくなるほど他人からの借金が多いということなので安全性は低くなります
ただし現代社会では成長スピードが求められるため、投資資金は他人から調達する場合が多いです
特にベンチャー企業ではなおさらです
企業の業種や状態で水準は様々なので一概に判断できない指標です
まとめ
【貸借対照表とは】
★一定時点おける企業の財政状態(ストック)を数値化した表
★資産、負債、純資産で構成される
★企業の資金調達の手段&資金の使い道がわかる
実際の貸借対照表を見るといろいろな科目が並んでいます
全部見る必要はありません
全体の構成を見て気になるポイントを確認すればいいです
業種・業界によって資産・負債・純資産の比率は違います
というより同業種でも違います
いろいろな企業の個性が現れます
貸借対照表は企業が誕生してから現在までの歴史が数値化されます
それが1枚のシートに表されます
ではまた🌸